令和元年第197回名護市定例会が開催され、高齢者や公共交通、環境、地域振興など多岐にわたる議題が取り上げられた。特に屋我地地区の高齢化問題と、それに対する支援策が焦点となった。屋我地地区は、人口減少と高齢化が特に進行しており、今後の施策が求められている。市民福祉部の比嘉一文部長は、地区ごとの助成や支援策について説明し、地域生活を支えるための柔軟なアプローチを強調した。
屋我地では、高齢者支援のための施策として、食の自立支援や訪問介護利用者負担助成金の支給が行われているが、屋我地地域特有の施策がないため、全市的な施策でのアプローチを行われていると述べた。具体的には、食の自立支援事業で114人の利用があり、訪問介護等助成金の支援も実施されている。
また、高齢者層の生活環境を守るためには、行政からの支援が不可欠である。地域住民の声を受けて、規制緩和や農業支持の拡充が求められている。屋我地地域振興会の役員会議では、これらの課題を解決するための具体的な協議が進められ、地域活性化に発展的な取り組みが期待されている。
一方、公共交通の問題でも新たな施策が模索されている。久志地区や屋我地地区でのデマンド交通やコミュニティーバスの導入について、地域住民との意見交換を経て具体的な運行計画が順次進められる。一時的に運行されるバスの持つ限界と、交通不便地域の解消に向けた新たな交通システムの必要性が指摘された。
名護市の市民憲章や市民の歌の普及についても、教育次長の石川達義氏が言及し、各学校での指導が行われるよう計画している。名護市制50周年を記念した取り組みとして、全市を挙げての普及運動が提案され、地域の生活文化の浸透が期待されている。さらに、環境問題として『プロギング』の実施が提案され、地域住民が清掃活動を通じて健康維持にも寄与できる仕組みの導入が検討されている。これにより、市民の環境意識を高めつつ、公共空間の整備にも繋がる可能性が示された。
これらの取り組みを通して、名護市が直面する課題に対し、行政と市民が共に協力していくことで、地域の活性化と持続可能な発展が期待される。議会での報告を受け、関係者は今後の進展に注目していく方向で一致した。