令和6年第214回名護市定例会が行われ、議員たちが地域の重要課題について議論を交わした。福祉行政においては、高齢化社会に備えた介護人材の確保が急務とされ、多くの議員から具体的な取り組みの要望があった。宮城さゆり議員は、2025年に向けての介護人材不足の実態を指摘。具体的には、「沖縄県の介護職員は2025年に2045人不足する見込み」とし、人材確保の施策強化を求めた。大城智美福祉部長は、介護職員の賃金改善を図るための取り組みを説明。やっとであるが、貯まったデータを維持し、分析することに努めているとした。
次に、保育行政について議論が展開された。待機児童解消のためには、保育士の確保が必要不可欠であるとの意見が多かった。高里盛克こども家庭部長は、沖縄県が実施している保育士確保策を活用し、保育士不足を解消に取り組む姿勢を示したが、より多くの具体策が求められた。
また、議会では地域連携問題にも触れられた。「やんばる観光地域づくり」がテーマに取り上げられ、嘉陽宗一郎議員は大谷翔平選手の話題を用いて関心を引いた。地域振興案の中で、観光振興の連携に関する質問がなされ、企業や団体との協力を求める発言が相次いだ。地域観光協会との連携を強化することやインフラや環境整備の必要性が指摘された。
一方、下水道整備にも関心が寄せられた。翁長武嗣環境水道部長が、名護市での下水道整備進捗率は79.6%と報告したが、完了までには多くの課題が残されている。特に安和区を中心に下水道を整備する計画は進行中であり、住民説明会が夏頃に行われる予定である。また、個人負担の問題に対しては公的助成が併用される。市長は、地域における下水道接続促進の姿勢を強調した。
さらに、然るべき施策を通じて耕作放棄地の活用が課題となり、市内での農業振興に向けた計画も感じられる。名護市の地域計画では、次世代農業の継続性を確保するため、農業従事者の育成を目指す方針が示された。専門家の意見が反映されたこの計画には、市民の信頼を得る方針が必要であると強調された。
最後に、長山正邦議員が提起した文化財の補修問題も重要視され、名護市の文化財である「安和の石橋」の補修検討が進められていることが報告され、専門家のアドバイスをもって解体せざるを得ない状況に懸念が示された。