宮古島市議会では、令和5年第4回定例会において多岐にわたる議題が取り上げられた。この会議では、農業、福祉、教育、そして防災など地域に密接に関わる重要なテーマが議論された。
日本共産党の上里樹氏は、一般質問の中で農地整備事業の進捗について問及した。特に竹アラ地区の農地整備に関して、工事の進捗状況や完成予定年度について農林水産部長の石川博幸氏から回答を引き出した。石川氏は「現在の進捗率は65%であり、令和6年度の完成を予定している。」と明言したが、工期の遅れが農家に影響を及ぼしているとの危惧も表明された。
次に、福祉分野では、就学援助制度の拡充が求められた。上里氏は、特に生活保護の対象とならない世帯への支援の強化を強調し、「準要保護認定基準の所得引き上げ」を提案した。これに対して教育部長の砂川勤氏は、「柔軟な対応の検討が必要であり、財源の確保とともに議論が進むべきだ。」と後ろ向きな姿勢を見せた。真剣に困窮している家庭への理解が不足している印象を受けた。
また、マイナンバーカードの総点検の取組や国民健康保険証の廃止に関する議論も白熱した。市民生活部長の友利毅彦氏は、法改正により紙の保険証が廃止され、マイナンバーカードとのひも付けを進める必要性を訴えたが、「保険証を持たない市民が置かれる不安に対する言及は少なかった。」との声も市民から挙がった。これにより、特に沖縄県の特殊な状況を考慮する必要があると市民からの指摘があった。
さらに、自衛隊に関する問題も提起され、上里氏は名簿提出に関して地域自治体の権限を強く訴えた。この点について市民生活部長は「関係法令に基づいている。」と答えたものの、自治体の立場の重要性を理解しているとは言い難いようだった。
新総合体育館計画についても意見が交わされた。市長の座喜味一幸氏は「市民に寄り添う施策を推進していく」とし、協議会での要望活動の重要性や地域の視点が反映されるよう進めていると語った。この計画の結果がどう実現されるかが市民の関心を集めている。合間に行われた農業委員の選任についても多くの議論が行われたが、その透明性に疑問を持つ声もあった。
さらに、農業生産力を向上させるような施策に関しても、農水産部からの説明がなされ、「今後の対応が求められる」との意見が相次いだ。特にヒアリングの場を設けて、行政と地域生産者が一体になって問題を解決する意義が強調された。
このように多様な議題が存在する中で、会議の進行は混乱をきたす場面もあったが、各職員が市民の声を真摯に受け止めて行動に移すことが強く求められている。特に議論の多いテーマに対して確固たる方針が示されることは、市民の信頼を得るための第一歩であることを市議会全体に確認してもらいたい。市民に寄り添った形で、福祉や地域振興に関わる持続可能な施策の推進が必要である。