令和元年12月17日、宮古島市議会で陸上自衛隊配備に関する重要な議論が行われた。この日は上里樹君が一般質問を行い、自衛隊配備に伴う弾薬庫の設置が住民にもたらす安全性への危惧について強調した。
上里君は、「宮古南西諸島の自衛隊配備計画は、アメリカの要求による日米軍事一体の備えであり、これは戦争に巻き込まれる危険な計画である」と述べ、特に宮古島駐屯地の弾薬庫が地域住民に与える影響を問題視した。彼は、住民が弾薬庫の存在を認めていない中で、明示的に情報を提供されていないとも主張した。
この発言に対し、企画政策部長の友利克君は、「防衛省は部隊配備に際し、任務遂行に必要な弾薬を安全に保管するものと考えている」とし、法律に基づいて運用される旨の説明を行った。上里君は、これまで防衛省が「弾薬庫は設けない」と説明していたことが住民との信頼関係を損なう結果となっているとし、住民の安全を守るため、弾薬庫撤去を求めるべきだと主張した。
また、上里君は、弾薬庫から発生する可能性のある有毒ガス、特に塩化水素ガスについても言及し、「その危険性について住民への説明がされていない」と批判した。企画政策部長は、現在火薬庫内での火薬の保管方法に関して防衛省の安全対策が施されており、万が一の事態でも影響範囲は限定されるとの説明を行ったが、住民の不安を払拭するには至らなかったと言える。
さらに、陸上自衛隊の新たな配備計画についても、参加議員の間で議論が交わされた。去年、沖縄本島における新たな基地設置の決定が住民反対を受けた経緯があるため、宮古島市としても住民の意見をしっかりと反映させていく必要があるとの意見が相次いだ。
市長の下地敏彦君は、住民の意見を重視し、必要であれば対応・調整を行っていく考えを示した。議会ではこの他にも、子育て支援や教育問題、さらには市の財政状況など多岐にわたる話題について討議が行われ、今後の方向性について多くの意見が交わされた。
今後、宮古島市の今後の課題としてどのように市民の安全を確保し、地域に根ざした政策を進めていくかが問われている。特に自衛隊やその関連施設に関する透明性と地域住民との信頼構築が急務であると認識されている。