令和2年12月8日の宮古島市議会定例会で、平百合香議員が一般質問を行った。焦点はループバスの実証運行や、待機児童問題に関する内容である。特に、ループバスに関しては、市民と観光客双方の利便性を向上させるための取り組みが注目されていた。
平百合香議員は、ループバスの運行状況について質問した。企画調整課長の上地俊暢氏は、運行開始から約1か月後の平日・休日の利用者数を報告し、平日873人、休日466人、合計1339名が利用したと説明した。利用者の約7割が観光客であり、市民利用は約3割との割合で、多くの観光客が利用している実態が明らかになった。
バスの試験運行は令和2年10月25日から始まり、令和3年1月31日まで続く予定である。これに伴い、今後のルートや運行方法について改善策が必要との意見も出ていた。また、平百合香議員は、来年度以降の実施についても関心を寄せており、市民の声をしっかりと把握する姿勢が求められると述べた。
さらに、待機児童問題についても議論が交わされた。福祉部長の下地律子氏は、今年度の入所申込数と待機児童数の状況を示し、現在の厳しい状況を説明した。昨年度の新規入所申込数は710人、待機児童数は9人。来年度は626人の申込数を見込んでいることが報告された。待機児童問題は深刻であり、今後の施策として保育士の確保が不可欠である旨が強調された。
また、議会内では、保育士確保に向けた様々な施策が提案された。例えば、保育士移住体験モニターツアーを通じて、保育士としての魅力を伝える取り組みが行われている。このモニターツアーの結果、参加者からの移住に強い感触を得たとの発言もあり、今後の期待が聞かれた。
新庁舎についても議論の中心にあった。市が新設した授乳室や多目的トイレの数や機能について、市民に優しい設計である点が評価され、特に男女共同で利用できる工夫がされていることが好意的に受け止められていた。市長も、その利用者が安心して利用できるような環境づくりに尽力すると強調した。
平百合香議員は、議会を通じて、観光客だけでなく、地域住民や交通弱者にも配慮したより良い施策の実施を望むと訴えた。特に、新庁舎に対しては、市民の意見を受け入れる柔軟さが求められると言及。
定例会ではその他にも特定不妊治療に関する助成金への質問があり、助成制度が市民生活にどのように寄与しているかが議論された。宮古島市としての取り組みに対し、多くの市民からの期待が寄せられている状況が伺えた。
このように、宮古島市議会での議論は、多角的な視点から市民の生活に直結する施策に焦点を当てて進んでおり、今後の施策展開への期待が高まる内容であった。