令和2年第9回石垣市議会での一般質問では、新型コロナウイルス感染症対策が大きな焦点として扱われた。
特に、PCR検査の拡大と医療体制の強化が議論の中心であった。井上 美智子議員は、市立八重山病院でのPCR検査の状況に言及し、さらなる検査対象の拡大を求める意見を示した。市民保健部長の説明によると、現在医療機関では、八重山病院のみで検査が行われており、医師の判断に基づいて行われるとのことだ。
また、陽性者の把握の重要性にも触れ、感染者の追跡等に万全を期す必要があると言及した。さらに、学校や介護福祉施設などのコロナ対策についても議論され、教育部長は、学校での衛生対策を徹底していると説明した。
次に、自衛隊配備問題についても質疑が行われた。井上議員は、弾薬庫が建設される場合の住民の危険性について慎重な意見を表明した。市民への安全確保のため、確実な手段が求められている。また、配備予定の地対艦誘導弾に関連する技術の導入やトレーニングについても市民関係者と密な連携を保つ方針を示したが、充分な情報が提供されているのかについて疑問が残るとの意見もあった。
住民投票については、井上議員は地方自治法に基づく市長の実施義務があるとの意見を強調した。住民の声を反映させるためにも、未来に向けた住民投票の実施が必要である。この点に対して市長は、判決結果を受け、適切な市政運営を続けると述べた。
今期の中学校教科用図書の選定では、育鵬社の教科書が採択され、住民からの不安な声が上がった。教育委員会の選定過程に対し、井上議員は透明性の強化を求めたのに対し、教育部長は会議の構成を適切に保っていると主張した。
最後に、北部地区の空き家対策や、高齢者福祉の充実についても議論が及んだ。地域住民の協力を得て、空き地や空き家の問題を解決し、また高齢化社会に向けて、質の高い福祉サービスを提供していく必要がある。市としても積極的に支援を行う方針が示された。
このように、様々な議題が議論される中で、石垣市は今後も市民の声をしっかりと反映させた政治運営が求められる時期にある。