令和4年12月6日、津山市議会は定例会を開催し、久米総合文化運動公園市民プールの整備基本構想を取り上げた。市長の谷口圭三氏が、プールの老朽化と利用状況を考慮し、新たな市民温水プールへの更新の必要性があることを述べた。特に、開館から27年が経過しており、その間に年間5万人以上の利用があったことからも、重要な施設であるとの認識を示している。
また、基本構想には、地域の活性化に寄与することを目的として7つの方針が盛り込まれている。この方針は、多世代が利用できる施設として、地元を支える重要な役割を果たすことを意図して策定された。特に、久米中学校との連携を視野に入れた整備が求められており、地域のニーズを的確に反映させる考えがある。
議会でも指摘された通り、経済的側面も無視できない。市財政において新プールの整備に多額の費用が必要となるため、有利な過疎対策事業債の活用や、スポーツ振興くじの助成金などを検討し、財源確保に努める必要がある。さらに、地域住民の意見を反映させるために、利用者への周知や意見収集なども重要な課題となる。
一方、観光振興については、今年度の岡山デスティネーションキャンペーンや各種イベントが成功裏に終わり、観光客数の増加が見込まれていると報告されている。特に、津山城は前年比563%の来訪者数を記録するなど、観光資源としての価値が高まっている。
インバウンド需要の増加に向けて、主に台湾をターゲットとした戦略的な施策と情報発信が進められており、地域の特性を活かした観光プランが期待される。しかし、これを一過性の事業としないためにも、地域資源の活用や、参加型の観光コンテンツの企画が鍵となる。
また、津市としては岩屋城跡の文化財評価及び観光活用方策を進める姿勢を新たにしている。調査は進行中で、地域資源を活用して地域振興につなげる意欲を示している。この地域の豊かな自然や歴史を通じて、観光客との接点を強化することで息の長い観光振興を図る。
教育の振興とまちづくりにおいても少子化が進行する中、新たな発想を持って学校や地域企業との連携を強化することが求められつつある。特に、津山高専との連携によるデジタル人材の育成や企業誘致が課題となっている。市長は、この流れを周知徹底し、町の機能を強化するための施策を整えていく意向を示した。
総じて、久米市民プールの整備と観光振興施策の推進は、津山市が抱える難題を克服するための重要なステップとして捉えられている。地元の人々の支持を得るために、市民参加型の施策や透明性を高める努力が今後求められる。