令和元年9月第4回真庭市議会において、有害鳥獣対策や高齢者事故防止の支援策に関する議論が行われた。
特に猿による農作物への被害は深刻化しており、議員からは「猿の対策は急務」との声が上がった。
農家の生産意欲が低下している一因は、猿による被害が従来のイノシシや鹿とは異なり、電柵や捕獲によって効果的に防げないからだという。柿本健治市議からは、猿の被害対策を巡って市長や行政がしっかりと地域住民と連携し、集中的に対策を講じるべきであるとの意見が出た。さらに、将来的には猿の駆除や緩衝地帯の設置を含む、包括的なプロジェクトを策定するよう求められた。
市長は「猿対策のための具体的な計画を作成する必要性を認識しており、地域住民との連携を強化して、効果的な対策を打ち出す」との意向を示した。また、猿の生息環境を改善するために里山の復元も重要であるとの見解を述べた。
次に、高齢者事故防止のための支援策についての議論が行われた。真庭市では39%が65歳以上の高齢者で構成されており、彼らの運転による事故が懸念されている。
市長は、運転する高齢者を支援するために、アクセルの踏み間違いや急発進を防止する装置に対する助成の必要性に触れた。東京都や美作市などでは導入が進んでいる事例を挙げ、「真庭市でも助成制度を検討する必要がある」とした。具体的には、住民の経済状況を考慮しながら補助金制度を設け、高齢者ドライバーの事故リスクを軽減する方針を示した。
これにより、地域の安全は確保されるとともに、高齢者の自立した生活を支援することが期待される。市の政策は、実際の運用においていかに現場のニーズと合致するかが重要な課題となるため、今後の取り組みが待たれる。