令和元年11月12日に行われた鏡野町議会では、鶴喜小学校屋上の防水工事に関する補正予算案が議論を呼び、採決の結果、否決された。状況が複雑である中、議員からの疑問が相次ぎ、慎重な審議が求められた。
この議題は、台風19号による被害を受けた鶴喜小学校の屋上防水工事に関するもので、町長の山崎親男氏が補正予算として2,600万円を提案した。今回の補正予算は、歳入歳出それぞれを追加するもので、工事内容としては、鶴喜小学校の屋上防水工事を行うための費用が含まれている。
総務課長の藤田昭彦氏は、災害復旧費の内訳を示し、町債および繰越金を利用しての予算案であることを説明した。しかし一方、議員からは補正予算に対する詳しい説明が不足しているとの指摘があり、特に災害復旧費用の根拠について疑念が提出された。具体的には、、「原形復旧」という基準に基づく工事が安全面やコスト面で本当に適切なのかが問われた。
また、議会運営委員長の光吉準氏は、11月会議の運営についての報告を行い、補正予算の議案に対する質疑応答も行われた。中西省吾議員は財源に関する詳細な情報を求め、先般の風雨の影響で発生した損害に対する保険金の受取状況などについて疑問を呈した。
質疑の中では、なぜ屋上の全体改修を急ぐのか、今後の大規模改修に影響があるのかといった質問が相次ぎ、議員たちの不安が噴出した。学校教育課長の金平美和子氏は、改修をしなければ雨漏りの危険が高まると訴えたものの、その緊急性には議会内で意見が分かれた。特に議員たちは、現段階では雨漏りの状況は確認されておらず、補正予算を通す必要性が薄いと指摘した。
最終的に、十分な審議と情報提供がなされなかったことから、議案は反対多数で否決となった。議会では、今後補正予算案については、より詳しい情報提供が求められるとの意見が大勢を占め、行政側へは説明責任の徹底が再確認された。