令和3年9月定例会が奈良市議会で開催された。ここでは、令和2年度の各特別会計の決算認定や、数多くの議案が議題となった。その中で、市長の最重要施策として、市民の感染を守るための新型コロナウイルス対策が強調された。
市長の仲川元庸氏は、コロナ禍での経済回復に向けた方針の中で、各施策の進捗状況について詳述した。特に、太田晃司市議が質問した健康増進施策や、高齢化社会への対応策についての発言が注目を浴びた。太田市議は、特に2025年の団塊世代の高齢化に向けての具体策を問うと、仲川市長は「医療、介護、福祉が一体的に提供できる体制を進める」との考えを示した。
さらに、環境問題への取り組みについても重視された。大西淳文市議は、新クリーンセンターの設置に関する問題を挙げ、「先進的な施策により資源を循環させ、持続可能な地域づくりを進める」とを強調した。
ダイオキシン問題にも言及され、仲川市長は「ダイオキシン類基準値の超過に対し、業者との良好な協力関係を築くことが必要」と指摘した。
経済的な側面からも、市税収の見込まれる厳しい現状が浮き彫りとなった。太田市議は「新型コロナウイルスの影響で自主財源が減少している」と示唆し、仲川市長も「今後も行財政改革が重要である」と、その必要性を認めた。
教育や子どものサポートに関する取り組みもおおいに期待されるとの発言があった。市としては、現物給付化を進める意向を示しており、料金負担の軽減に努める方針だ。また、補聴器の補助制度についても、大西市議より提言があった。市長は「制度導入の可能性を含めて慎重に検討していく」と回答し、前向きな姿勢を示した。
この定例会は情報の共有や市民の意見を反映させる必要性が強調された。仲川市長は「議会との連携強化を図り、奈良市をより良くするために取り組む」と述べ、将来への展望を示した。また、議会におけるさらなる協議と対応が期待される中、市民の知恵と協力を重視した施策展開が求められていることも浮き彫りとなった。