令和5年3月22日、奈良市議会の定例会が開かれ、数多くの議案が審議された。
議案第15号の令和5年度奈良市一般会計予算に関する討論が注目を集めた。提案者である北村拓哉議員は、鼓阪小学校の統廃合計画への住民などの反発を強調し、地域の理解も得られないまま進めるべきではないと発言した。また、鼓阪地区の住民による存続を求める要望署名が3670筆に達した事実も挙げ、「通学安全への配慮が不足している」と指摘した。
幼保再編についても、多くの意見が寄せられた。特に、民間移管の進展に関して議論が交わされ、保護者からの反対の声が不十分に尊重されているとの指摘があった。議員の一部は、新年度の一般会計予算に対する賛成を表明しつつも、福祉充実への取り組みが求められると強調した。
さらに、討論の中では公共施設の指定管理者に関する議題もあり、指定管理者の変更が市民サービスの質に影響を及ぼすのではないかとの懸念が示された。議論の最後には、帯状疱疹ワクチンへの助成及び定期接種化を求める意見書が提案され、賛同を得て提出された。
最後に、すべての議案が採決にかけられ、ほとんどの議案は可決されたが、北村議員が提案した修正案は少数賛成で否決された。特に、自らの選挙区の課題に注目した北村議員の提起により、議論が活発化を見せた。市長は、その後の挨拶で「今後も前向きな施策を推進する」と述べ、議会の意見を踏まえて努力することを約束した。