令和元年6月27日、奈良市議会において定例会が開かれた。この会議では市長専決処分の報告が行われ、議会運営委員会の正副委員長互選及び議会改革推進特別委員会の委員変更が報告された。また、重要事項として監査委員の選任についての議案が提案され、議論が交わされた。
市長の仲川元庸氏は、監査委員の選任に関し、松下幸治議員を推薦した理由について説明。仲川市長は松下議員の持つ識見に言及し、「議会からの推薦を受けた」と強調した。しかし、三橋和史議員からはその具体的な適任性に疑問が呈された。
市長は、「議員は公正に選ばれているため、誰でも監査活動を行える」と述べたが、三橋議員はその返答に納得を示さず、議会が推薦したという事実は確認できていないと指摘した。監査委員の職責については、財務管理や事業経営管理に関する識見が求められるものであり、選任に際して十分な理由が必要であるとの意見が続いた。
さらに、議会では松下幸治氏以外に太田晃司氏についても監査委員の選任議案が提案され、こちらも原案通りに同意された。これにより、奈良市の監査委員は松下氏と太田氏の新体制となる。
また、本庁舎のあり方検討特別委員会の設置に関する動議も提出され、早急な耐震問題の調査が求められた。この特別委員会の設置は広く議員から支持を受け、議会閉会中も調査が継続されることが決まった。
その後、議会改革推進特別委員会の中間報告も行われ、来たるべき課題に対する備えを進める重要性が再確認された。今回の定例会において、議会内での意思疎通の重要性が改めて意識された格好だ。