令和2年5月1日に開催された奈良市議会の臨時会が開会され、様々な議題が審議された。
特に注目されるのは、新型コロナウイルス感染症への対応として提案されている令和2年度一般会計補正予算である。この予算には、市民一人に対して10万円の特別定額給付金や、独り親家庭への支援、経済対策としての協力金が含まれている。市長の仲川元庸氏は、「市民の皆様の生活を守るため、市独自の支援策を迅速に講じる必要がある」と強調し、経済支援の重要性を指摘した。
仲川市長は、特別定額給付金について、国の経済対策に基づき、あまりにも厳しい状況にある市民の生活を少しでも助けるため、迅速に給付する意向を示した。しかし、実施時期については「迅速な支給を目指すが、状況に応じた柔軟な対応が必要」と述べ、どの程度の早さが実現できるかの確約は避けた。
さらに、長期化する新型コロナウイルスの影響下で、特に宿泊業者や飲食店等への支援策が物議を醸している。市内の多くの事業者が売上の減少に直面しており、特に宿泊業界は今回の影響を大きく受けているため、市としても独自の支援策を検討する必要があるとされている。市議会では、宿泊施設への協力金の方針に関する意見が多く出ており、幅広い事業者への支援を求める声が上がった。
また、医療従事者への感謝の意が表明されるとともに、実効性ある支援策が期待されている。国や県の支援に加え、市としても医療機関や福祉施設に対する支援を行っていく意向が示された。
最後に、新型コロナウイルスの影響による独り親家庭への特別給付金については、追加的な支援が求められたが、市長は「状況に応じたさらなる支援策を検討していく」との方針を表明した。これにより、今後の経済状況や市民生活の実態を踏まえた上で、必要な支援を継続的に行っていくことが期待されている。