令和5年9月27日、奈良市議会は9月定例会を開催し、29件の報告と議案を審査した。
この定例会では、令和4年度の一般会計歳入歳出決算の認定や、特別会計の各種決算についてが主な議題となった。報告第36号の一般会計について、日本共産党の井上昌弘議員がリニア中央新幹線の誘致経費に懸念を示し、約1億円に上る負担が続く中での財政的な放出に疑問を呈した。特に、コロナ禍での地方財政の厳しい状況において、これらの資金が住民の生活支援に回るべきとの見解を強調した。
また、議案第101号の令和5年度一般会計補正予算に関しても議論が白熱した。同議員は、大阪・関西万博関連の予算計上に対し、労働者の権利を無視した突貫工事になる懸念を示しており、万博の理念とは逆行する行為と指摘。万博開催を中止し、資金を暮らし応援に回すべきだとの主張が相次いだ。
加えて、教員配置に関する意見書が提案された。この書面は特別支援学校への人材配置改善を求めるもので、特に専門性の高い教育体制の整備が急務であるとの認識が共有された。教員の長時間労働の問題も取り上げられ、現在の教員配置基準の見直しを求める意見が多く寄せられた。
さらに、環境清美工場の大規模改修に関する議案も場を賑わせた。議会では140億円の予算計上が示され、その妥当性が問われた。市民サービスの低下を招かないよう、透明な運営とその経費の明確化が求められている。
これらの議論を経て、最終的に多くの報告と議案が原案通りの承認を受けるに至ったが、安全な市民生活の維持という視点が議敗されたことや、財政的な健全性を保つための議論は引き続き重要なものとされるべきであると、多くの議員が一致している。