令和6年奈良市議会の3月定例会が2月29日に開会され、様々な議題が議論される中、市長が重点施策を提示した。
議題の一つとして、市長専決処分に基づく報告が行われた。仲川元庸市長は、県の施策に応じて、住民への直接支援として低所得者に向けた3万円の支給を決定し、物価高騰を受けた追加の支援措置についても言及した。今年度全体で73億円の支援を見込んでおり、「公正な社会を実現するためにも、手厚い支援が必要」と強調した。
一方、環境清美工場の移転に関する請願書が提出され、議会にて付託された。住民からの要望に応じて、環境保全と利便性を両立させるための移転が重要であるとの意見が寄せられている。この動きについて、議員からは「地域振興と持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩」との期待の声があった。
行財政改革及び公共施設等検討特別委員会による報告も行われた。委員長の内藤智司氏は、「市民の意見を基にした透明性の高い運営が求められる」と全体の進捗状況を報告した。特に、既存の福祉施設については、今後の運営方針を見直し、地域のニーズに応じたサービスの充実が課題として挙げられた。
次に、監査委員として新たに寺川拓氏を選任する議案も提案され、議会の同意を得て進められる。寺川氏について仲川市長は「豊かな地域経験を持ち、客観的視点での監査が期待できる」旨の説明をした。
さらに、教育委員会の委員の再任、および固定資産評価審査委員会の委員の選任議案も上程された。これらの議案はいずれも異議なく通過し、次回の会議での詳細協議が見込まれている。
新年度の一般会計予算についてもプレゼンテーションが行われ、約1629億5000万円の規模が示された。昨年度からの増加分とともに、様々な経済支援や福祉施策が重視されており、引き続き「市民の生活を支えるためにできる限りの努力をする」と市長は述べた。現在のような社会情勢では、安定した生活支援の重要性が高まっているとの認識が示された。
最後に、議長は今後の課題として、行財政改革と共に公共施設の再構築を挙げ、それぞれの委員会における議論を通じて、より良い市政を築いていくことを訴えた。