令和5年3月8日、奈良市議会において、市長専決処分に関する報告がなされるとともに、様々な公共事業の議案が提出された。
市長の仲川元庸氏は、令和5年度予算の特徴として「未来投資型予算」を強調した。これは、子育て世代や若者への支援を中心に、社会課題の解決に向けた施策を掲げている。
議案の一つに挙げられたのは、公共施設の適正化を図るためのもので、多くの待機児童問題を解消した一方、今ある福祉施設の見直しが必要であるとの認識が共有された。また、指定管理者制度の導入や文化講座の充実について、地元自治体との協働を進めることで、地域密着型の施策が求められている。
特に、鼓阪小学校と鼓阪北小学校の統合問題については、地域住民からの意見が多く寄せられている。特に、通学路の安全性が懸念されており、今後はバス運行の必要性が問われている。教育部長の竹平理恵氏は、予算計上された支援策の内容を報告し、無利子融資を通じた妊婦へのタクシー券の配布を行う意向を示した。
また、議会では近鉄奈良駅駅前広場の再整備についても話題となった。タクシーの乗り入れ台数制限や公共の交通機能の維持に向けて議論が進む中、奈良市と近鉄電鉄との協議が求められている。現状では、多くの交通需要が見込まれるため、円滑な運営が重要視されている。市長は県とともに交通機能の見直しを進める意向を表明した。
一方で、県内の電力供給についての問題も浮上した。電力供給を行っていた事業者の倒産が影響し、学校の電力問題に関する和解策のための条件が説明された。電気費用の上昇が懸念される中、コスト削減の必要性が強調された。
さらに、提案された地区のまちづくりに関する計画についても言及され、特に新駅周辺の整備が目指されている。JR新駅の整備において地域の特性を活かした開発が進められるべきとの意見が出で、地域住民との協力が重要視されている。
今後の奈良市の行財政改革計画に対する質疑が行われ、議員からの意見として、市民生活の再建を早急に進める必要性が指摘された。市長は、この課題に対する調査を進め、施策に反映させるという姿勢を示した。
議会を通して、防災や福祉政策等、様々な重要問題が提起され、これに対する市当局の真摯な対応が求まれる中、今後の施策の進捗に注目が集まっている。