平戸市において、令和元年6月定例会が開催され、議員たちは地域の重要な課題について活発な議論を交わした。特に観光行政、健康保険行政、がん検診や治療に関する補助制度がテーマに上がった。
今回の議論の中でも特に注目を集めたのは、平戸城に関する大規模改修事業である。辻賢治議員は、「平戸城の大規模改修が進行しているが、その計画全体の内容と今後のスケジュールについて教えてほしい」と質問した。これに対して、黒田成彦市長は大規模改修の進捗状況を詳細に説明した。平成30年度から進められているこの事業は、令和2年度に完成予定であり、観光施設の機能向上が期待されている。
次に、健康ほけん行政やがん検診の実施状況に関する議論も行われた。本市では、がん検診受診率の向上が求められており、啓発活動の一環として再通知や周知活動が強調された。市民生活部長の佐々木信二氏は「厚労省の指針に従い、がん検診は大腸がんや乳がんなどが実施されており、受診率の向上に努めている」と述べた。
さらに、がん治療における患者への配慮として、がんの影響により脱毛が生じる女性に対するかつらの購入費補助制度についても議論が行われ、平戸市においてもこうした取り組みが求められていることが強調された。市長はこの制度の導入について前向きな意向を示した。
また、観光分野においては、春日集落などの世界遺産登録を受けて観光客数の増加が期待され、黒田市長は「新たな取り組みとして、観光客を迎えるための地域との連携強化が重要」と述べ、地域の魅力を発信する施策を進める必要性を訴えた。
平戸地域の医師確保対策や医療行政についても議論があり、市立病院および生月病院の医師不足が深刻な問題であると認識され、病院局長の松田範夫氏は、医師確保の難しさを痛感しつつ、引き続き努力を続けていく方針を示した。