平戸市の令和3年9月定例市議会では、重要な市政運営や安全対策についての議論が行われた。特に小山田輔雄議員は、コロナ禍における市政運営について、職員の労働安全衛生の重要性を強調した。職員が健康で安心して業務に臨むことが、住民サービスの向上につながると述べ、そのためにメンタルヘルス対策や長時間労働の改善が求められていると訴えた。
黒田成彦市長は、職員の健康を維持するために、ストレスチェックやカウンセリング相談窓口の設置を進めていると答えた。さらに、メンタルヘルス不調の職員が増加している現状を厳しく受け止め、予防策や早期発見、復帰支援への取り組みを継続していく方針を示した。
また、議論の中では新獅子漁港の環境保全や、離島地区における消防行政の現状と課題に関する質問も上がった。度島地区には常備消防がないため、火災や救急活動には多くの課題が残っている。市長は、離島の特殊性を踏まえ、消防業務の改善に向けた検討を進める考えを強調した。
一方で、日本の農業における担い手不足の問題も指摘された。田島輝美議員は、特に農業就業人口の減少と高齢化の進行が重大な問題であると述べ、他地域の事例に学び、外国人材を活用する方法についても言及した。農林水産部長は、株式会社エヌによる外国人労働者の派遣事業を紹介し、今後もこの方針で進めていくとした。
最後に、観光業の重要性という観点から、平戸城を拠点とした観光客の誘致や市民の声を反映した施策の実施が求められた。市長は、実績に基づく誠実な施策の強化を図り、地域活性化に向けての努力を約束した。議会は引き続き、市民の意見を尊重し、健康で幸せな地域社会づくりを目指していく。