令和4年9月定例会では、平戸市議会の議員たちが地域の課題や取り組みについて活発な議論を行った。この会議では、特に地域おこし協力隊制度に関する質問が中心となった。針尾直美議員は、地域おこし協力隊の設置目的や、協力隊員の活動実績について詳しく尋ねた。
市長の黒田成彦氏は、この制度が地域の活性化において重要な役割を果たしていると述べ、協力隊員には新たな視点で地域に活気をもたらすことが期待されていると強調した。これまでに平戸市に受け入れられた協力隊員は17名であり、そのうち6名が地域に定住しているという。
また、平松貫治財務部長は、協力隊員が退任後も地域に残ることが、その後の定住につながると述べたが、定住率が全国平均に届かない点については課題を残し、ミスマッチを避けるための事前のコミュニケーションの重要性が指摘された。針尾議員は、自身の地域おこし協力隊についての経験を述べ、地域に根ざした活躍を促すための支援を求めた。
次に、「平戸城下旧町地区」についての発言では、議員たちが地域の文化的資源としての町並みや歴史的価値の保存と活用について議論を交わした。歴史的町並みの環境整備事業として約16億円を投じ、168棟の町屋が修復され、他の自治体にとっても参考となり、地域の観光資源としていかに活用するかが大きな論点になった。
また、働きやすい職場づくりについても話題になり、職員の業務環境改善状況が注目された。市は、職員の満足度を高めるための取り組みを進めているが、反応は様々であり、一部の職員からはさらなる改善を求める声が上がっている。市民生活部長は、時代の変化に伴う新たなニーズに応える整備が求められていると述べた。
このように、議会では地域おこし協力隊の活用、文化財の保存、職場環境の改善といった様々な視点から平戸市の未来を模索する姿が見えた。議員たちの質問に対し、市の幹部は真摯に回答し、今後の方針や改善策の検討を約束した。
地域の主権を担う市議会において、市民の生活向上に向けての施策は、今後も重要なテーマとなるであろう。