平戸市の令和2年3月定例会では、主に新型コロナウイルスの影響に関する議案が俎上に載せられ、議員からの質疑が行われた。
中でも、議案第1号「平戸市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」が審議され、原則に基づいた給与体系の見直しが提案された。この改正に対し、まず、総務厚生委員長の山田能新氏が述べた内容によると、職務と責任を給与に反映させるため、職務の級を見直すことが目的だとのこと。また、改正に伴う全体での給与費の年間減額は、約3000万円が見込まれる。
さらに議案第17号、令和2年度平戸市一般会計予算が審議され、新型コロナウイルスの影響により市内の観光業や飲食業が冷え込み、税収の見通しが厳しいことが指摘された。この点に関して、財務部門からは「市税等の予算について、実績ベースで計上しているため、予算割れの可能性がある」との懸念が表明された。
資金繰りの観点では、必要な歳出については福祉や教育などの住民サービスに直結する予算を優先的に考慮し、公益事業に対する財調基金の取り崩しで補填していく方針であることが説明された。その上で、新型コロナウイルスの影響を考慮した各種事業の執行については、各課が十分に協議を行いながら進めていく必要性が強調された。
また、移住定住環境整備事業についても話題にのぼり、これまでの補助金を利用した移住者のカウント方法に関する見直しが提案された。
さらには、議案第18号「平戸市国民健康保険特別会計予算」も合併に関連し、新型コロナウイルスによる影響を受けた農林水産業など、落ち込みが見られる状況に対する対応策が尋ねられた。具体的には、国保財政調整基金の活用についてが挙げられたが、財務部長は「厳しい状況であるため、慎重な判断が必要」と述べた。
最後に、さらなる議論として、各種事業の進捗とその効果が検証、議論され、持続可能な市政運営に向けた方向性が再確認される場面も見られた。市民に寄り添った施策が求められる中、新型コロナウイルス後の市政運営の在り方についても、引き続き議論されることが期待される。