平戸市の令和5年12月定例会では、文化財や環境管理に関する様々な議論が行われた。特に、平戸ジャンガラや神楽といった伝統文化の保存継承に対する期待が高まっている。
平戸市の市長、黒田成彦氏は、平戸ジャンガラがユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、地域の保存会の活動が必要不可欠であると強調した。各自治区では先人から受け継がれた伝統行事を継続するため、住民の負担金も増えているが、その経済的支援が求められている。
文化観光商工部の度嶋悟君は、平戸市が歴史ある文化財を守るための助成金が現在も存在していると述べたが、ジャンガラに対しての公的な支援は限られているとの現状も示した。国や県からの具体的な制度支援はないため、これまでの補助金支給の在り方を見直し、より多くの支援策を模索する姿勢が求められる。
また、地域住民が主導した文化イベントや活動の協議会の設置が提案され、美術や芸術活動に携わる市民の意見を集約することが今後の課題とされている。市長もこの点を踏まえ、文化行政の支援体制を強化する重要性を語った。
さらに、廃船処理に関しては、平戸市内の漁港で57隻まで減少した結果が示され、漁協や県との連携も進んでいることが報告された。しかし、放置廃船の所有者や不明船に関しては、依然として対策が必要であるとの認識も示された。
環境問題として、市が回収した漂着物をどのように処理しているかも議論された。海岸漂着物の処理方法には、ボランティア活動を通じた取り組みも行われており、地域の協力も不可欠であることが強調された。
最後に、教育長は、清掃活動が学校でも推進されていることを報告し、環境教育との連携が進んでいることを示した。今後も地域住民、県、そして市が連携して伝統文化と環境保護に取り組む必要がある。