令和5年12月定例会における一般質問では、
吉住龍三議員が観光の現状と今後の戦略に関する質問を行った。
特に、観光消費額122億円の重要性とその推移について議論が交わされた。
吉住議員は、平戸市が観光業を基幹産業として位置づけていることを強調し、新型コロナウイルスの影響からの回復の必要性を訴えた。市長の黒田成彦氏は、観光業が地域経済に及ぼす影響について言及し、「観光産業は重要な基幹産業であり、コロナ対策として実施したキャンペーンが宿泊客数の回復を促進した」と述べた。
実際、令和4年の観光客数は160万4,000人に達し、その内訳は宿泊客が26万9,000人、日帰りが133万5,000人となっている。この数字は前年に比べ増加しており、特に宿泊客数は45.7%の増加を記録している。この主な要因として、国や市の宿泊支援が挙げられた。
一方で、観光消費額122億円という数字が示すように、観光客数と消費の関係について深掘りした。黒田市長は、観光消費額が多大な経済効果をもたらすことを再確認し、観光平戸の再生に向けた具体的な施策を講じる考えを示した。だが、吉住議員は宿泊客数と日帰り客数のバランス感についても言及し、過去のデータとの整合性を求めた。
観光施設の状況も議題に上がり、松浦史料館や平戸城の入場者数が減少していること、団体旅行から個人旅行へのシフトが影響を与えているとの指摘もなされた。文化観光商工部長の度嶋悟氏は、「旅行の目的が変わってきている」とし、街なみ環境整備事業や「歩く観光」に取り組む必要性を訴えた。
今後の観光戦略において、観光施設の魅力向上や市内周遊の促進が計画されている。官民一体となった取り組みが求められる中で、地域の特性を活かしたプランを進めることが重要である。優良な観光地を目指す中で、市民の意識改革も鍵となる。市長は、「受入側の体制の整備と情報発信が必要」と語り、継続的な努力の重要性について強調した。