平戸市の令和3年12月定例会で、様々なテーマが議論された。特に、交通安全対策と通学路の点検についての関心が高まり、議員たちは子供たちの安全を確保する施策の重要性を強調した。
教育長の松永靖氏は、現在市内で行われている通学路の合同点検について説明した。共に関係機関と連携し、通学路の環境を改善していることが示され、特にヒヤリハットの事例に基づいての取り組みが進められていると述べた。また安全教育も充実しており、教育委員会は児童が危険を予測し回避する力を身につけられるよう努めている。市の建設部長、下川隆利氏も通学路の安全について応え、幹線道路や市道の維持管理が求められる現状に触れた。
また、商店街と観光との連携についても議論が交わされた。市長の黒田成彦氏は、商店街の振興には民間の主体的な取り組みが不可欠であるとし、その支援を行う意向を示した。商店街が発展するためには、地域住民の意識革命が必要だとの認識も強調された。これまで行政側からの支援は続いているが、商業者に自主性を求め、地域との協働を深めることが肝心であるとの意見が、新しい視点として浮かび上がった。
また、ユニバーサルツーリズム観光の推進策についても指摘された。これには、誰もが旅行を楽しめるよう、全ての観光客に対応できる施策が重要だとの声が上がった。市は構想を進めており、実際の取組例や進捗状況について詳しく報告され、今後もソフト面の支援が必要だとの話に至った。市長は「人のぬくもりのある観光を目指し、様々な関連団体と連携していく」と述べた。
さらに、財政状況についても詰めた議論がなされた。特に、合併特例期間が終了した今、財源確保が喫緊の課題であるとし、財政調整基金の運営や繰上償還を含めた計画の見直しがされる必要があるとの意見が多数寄せられた。市長は「さらなる行財政改善に向けて努力するとともに、必要な資源を確保していく」と述べ、これからの方針を説明した。
本定例会では、今後の平戸市の発展に向けた具体的な施策と市全体の連携を再確認する機会となった。議員たちは、この施策が平戸市民や来訪者の未来に寄与することを期待している。