令和4年11月平戸市議会臨時会が開会した。
市長の黒田成彦氏は、去る11月3日に発令された令和4年秋の叙勲で、本市関係者9名が受賞したことを報告した。受賞者には、元議長の山内清二氏、元長崎県信用漁業協同組合連合会理事の山中兵惠氏、元郵便局長の小川隆氏などが含まれ、各々の功績に対して祝意を表した。
続いて、議案第89号「令和4年度平戸市一般会計補正予算(第7号)」が上程される。財務部長の平松貫治氏がこの補正予算の詳細を説明した。歳入歳出ともに5億1,362万5,000円が追加され、予算総額は271億9,553万1,000円に達する。
補正の内容には、物価高騰による低所得世帯や事業者への支援が含まれる。特に電力、ガス、食料品等の価格高騰対策に注力し、低所得世帯には一律5万円の給付が予定されている。これに対し、福祉部長の尾崎利美氏は、対象世帯4,900世帯を見込んでいると述べた。また、家計の急変がある世帯も含めることで、50世帯を想定した根拠も示された。
また、商工業振興費の一部として実施される燃油価格高騰対策支援事業についても議論が行われた。文化観光商工部長の度嶋悟氏は、市内の対象事業者1,543件を見込むと述べ、補助対象となる事業者数の根拠を説明した。
この臨時会では、松浦鉄道持続化支援事業に関しても施策が検討された。松浦鉄道の経営危機はコロナや燃油高騰が要因となっており、単なる自治体の補助ではなく、利用者数の減少への対策としての支援が求められているとした。総務部長の桝田俊介氏は、その現状と今後の方向性について議会に考慮を求めた。
議案第89号の質疑は終了し、総務厚生委員長の松本正治氏がその審査結果を報告した。福祉関係では、価格高騰に対する支援の必要性が強調され、農業振興課においても農地復旧事業が重要とされた。これは8月豪雨による被災地からの復旧工事として位置付けられ、今後の状況に応じた調整が必要とされている。
最後に、市長の黒田成彦氏は閉会に際し、次回の長崎県民体育大会への参加を呼びかけた。全市のスポーツ振興を願い、議員らに応援を求め、臨時会を締めくくった。平戸市は、補正予算の可決によって、厳しい地政学的環境における市民生活の安定を図ることを目指している。