令和3年6月15日、塩尻市議会は定例会を開催した。議論の中心には、新型コロナウイルスの影響とその対策、信州F・パワープロジェクトの進展、そして高ボッチ高原の観光資源としての活用などがあった。
最初のテーマは新型コロナに関する施策であり、平間正治議員はワクチン接種の現状と課題について詳しく質問した。彼は特に、65歳未満層の接種率が若干低いことに懸念を示し、「若い世代のワクチン接種に向けた具体的な支援が求められる」と訴えた。この課題に対して、健康福祉事業部長の百瀬公章氏は、若年層の接種率を65%と見込んでおり、接種券の発送方法に関しては柔軟に対応する方針を示した。
次に、「信州F・パワープロジェクトの現状と今後」についての質疑が行われた。上條吉直産業振興事業部長は、木質バイオマス発電所の最新の稼働状況を説明し、燃料木材の安定供給に向けた取り組みを報告した。同プロジェクトは、環境に優しい電力と地元資源の有効利用を目指しているが、供給に関しては「ウッドショック」の影響が懸念されている。
さらに、高ボッチ高原の自然観光資源化についても議論が進んだ。平間議員は「高ボッチ高原の観光資源を保護しつつ、レンゲツツジの再生プロジェクトを進める必要がある」と強調し、当局が将来的に具体的な計画を持つべきと訴えた。百瀬敬産業振興事業部長がその議論を受け、「自然環境保護エリアと観光振興エリアで管理と活用を進める考え」を述べ、より一層の公民と協力した取り組みが求められていることを認識した。市長の小口利幸氏は「自然との共生を重視しつつ、必要な対策は講じるべきだ」と意見を述べた。
最後に、小坂田公園の整備事業については、今後のスケジュールと地域産業への影響が取り上げられ、部長が「公募の開始からの進捗状況を報告」した。公園整備における飲食施設の設置を含む、地域価値の向上を図るための取り組みが重要視されていることが再確認された。全体として、議会は地域の多様な課題に対して、具体的な解決策を模索する姿勢を示した。