令和3年3月定例会では、塩尻市市長の小口利幸氏が新年度予算案と市政運営についての考えを述べた。
新年度予算案は、過去最大の299億円に達し、第5次総合計画の初年度となる中期戦略に基づき、感染症対策と経済活動の両立、地方の安全・安心な生活を確保する施策を織り込んだと強調した。市長は、「未来につなぐ田園都市を目指す」と述べ、新型コロナウイルス感染症に対する対応が急務であると認識していることを共有した。
新型コロナウイルスの影響によって、農業者の持続化給付金申請が増加し、約40件が給付される状況へと改善された。これは以前の7件から大幅な増加であり、市の支援が多くの農業者に届いた形で、特に事業者向けの支援情報と説明が功を奏した結果と見られている。
生活保護行政に関して、青木実健康福祉事業部長は、相談件数が増加しつつも、申請状況は比較的安定していると述べ、具体的には289世帯、372人が生活保護を受けていると報告した。また、相談者の中では高齢者や障がい者世帯の割合が高いものであった。
ごみ処理基本計画において、減量化への取り組みを強化し、生ごみの資源化やプラスチック製品のリサイクル率向上に向けた施策を進める必要性が示された。また、特に生ごみの減量に関しては、家庭内での取り扱いや堆肥化の普及が重要だと強調された。
福祉施策、特に生活保護の扶養義務の調査の在り方についても議論し、地域における貧困問題への対応はますます重要視されるべきであると認識されている。
柴田博議員や中村努議員らの質問に対して、さまざまな施策展開とそれに伴う市の答弁がなされたが、各施策の現実的な運用と効果を確実に市民に届けるためには、担当部門間の連携強化や積極的な情報発信が求められるとも説得力を持って述べられた。各議員からの質問が続く中、問いかけられたのは新型コロナウイルス対策とそれによる市が目指す生活支援の枠組みだった。
要約すると、新年度予算が過去最大の規模を誇る中、塩尻市は経済の回復を図りつつも厳しい状況にある市民支援を考慮した施策を展開している。その中での具体的取り組みもあり、生活保護やごみ処理計画等においても成し遂げられる課題が残っている。今後の施策進展に注視していく必要がある。