令和2年3月19日に開催された塩尻市議会の定例会では、複数の重要議案が審議され、全て原案通り可決された。主な議案としては、塩尻市手数料徴収条例や特別職の給与に関する条例の改正があった。
総務生活委員長の平間正治氏は、手数料徴収条例の改正について、「行政運営の効率化を図り、住民サービスの向上に寄与するため、改正に至った」と報告した。特に住民票の除票に関する手数料を300円に設定した理由について、以前は無料であった実態も含め、明文化することの必要性を指摘した。
また、特別職の職員の給与改正に関しては、「近隣市の情報を基に報酬を見直し、職務量を考慮した結果、全体としてバランスの取れた設定にした」と述べた。委員からは報酬額について、岡谷市と飯山市の例が挙げられ、その根拠と背景が問われた。
更に、議案の中には公共施設の指定管理者に関する条例改正が含まれ、外部有識者による評価が導入されることになった。この改革については、代表監査委員の高砂礼次氏が、「効率的な運営を促すために、外部の視点を取り入れることが重要である」と説明した。
全体として、議会では「塩尻市国民健康保険事業特別会計予算」の審査も行われ、予算総額は66億9430万円とされ、医療費増加の要因や未受診者への対策についても様々な意見が交わされた。加えて、農業委員会委員の任命や人権擁護委員の推薦についても審査が行われ、これも全員一致で可決された。
新型コロナウイルスに関する議論もあり、市長の小口利幸氏は、一連の感染症に対する対策を強化する意向を表明した。市のイベント等の中止や公共施設の休止を延長することも決まった。
会議の最後では、議員から提出された意見書「医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求める意見書」が全会一致で可決された。これは、地域医療の現状を反映し、医師数の増加を求める重要な提案である。
このように、塩尻市議会の3月定例会では、地域住民にかかわる重要な議案が審議され、今後の市政に大きな影響を与える決定が下されたことが示された。