令和3年9月24日、塩尻市議会は9月定例会を開催した。
議案第23号、令和3年度塩尻市一般会計補正予算に関する説明が行われた。副市長の米窪健一朗氏は、予算を歳入歳出ともに1億7,380万6,000円増額し、総額317億3,211万9,000円にする旨を述べ、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業者のための応援金支給も含まれると説明した。加えて、8月の大雨による災害復旧費も補正し、国庫支出金や繰越金の増額を図ることが述べられた。
また、報告第15号は損害賠償に関する専決処分についてのもので、相手方自宅の車止めポールに公用車が接触し、報告を行った。この報告は議論なく即決され、議会は業務に高いスピード感を求めていることが示された。
次に、議案第1号から第9号までの令和2年度操作に関する会計決算認定についても審議された。予算決算常任委員会委員長の中村努氏は、これらの案について全員一致で原案通り認定するべきであるとの報告を行った。特に、新型コロナ対策が評価され、大きな決算が確保されていることが強調された。
議案第10号は建設工事費補助の条例改正に関するもので、委員からは書面の電子化により手続きの効率化を図れると述べられた。その中で、押印規定が見直され、民間とのやり取りでも押印廃止の流れが求められると指摘された。
また、議案第14号の人権擁護委員の候補者推薦では、委員から地方での差別事案やインターネット上での問題についての質問があり、2021年12月までの任期満了に伴い、推薦者が挙げられた。
さらに、過疎地域持続発展計画と市道路線の認定に関しても議論が交わされた。過疎債の利用や人口減少への対策が中心的なテーマとして挙がり、特に楢川地区における交通手段確保に向けた具体的な施策が模索されていることが報告された。
議会は一連の審議を経て、すべての提案が原案通り可決され、議会第1号の規則改正についても議論なく成立した。市民の利益を最優先し、地方自治体の責任を果たしていく方針が再確認された。
最後に市長の小口利幸氏は、新型コロナウイルスの影響や市民の声を今後の施策に取り入れることを誓い、閉会の挨拶を行った。議会の活発な審議と世情に即した柔軟な施策の提示が求められた。