令和元年12月12日、佐久穂町議会定例会が開かれた。この会議では、台風19号による甚大な被害と、町立千曲病院の運営に関する重要な議論が交わされた。
まず、出浦修身議員が、10月の台風19号による被害の大きさについて触れ、被害を受けた住民への心配りを強調した。出浦議員は災害対策本部の迅速な設立を称賛し、町長と職員による奮闘を評価した上で、復旧プロセスの重要性を訴えた。さらに、復旧作業における農業施設の復旧に向けた取り組みを促すコメントがあった。
次に、出浦議員は千曲病院の再編・統合に関する質問を行い、特にその運営方針に対する町の基本的考え方について尋ねた。これに対し、佐々木勝町長は、厚生労働省からの指示を受けているとしながらも、依然として現状維持の姿勢でいることを明らかにした。また、千曲病院事務長も現在の病床稼働率について説明し、地域医療構想の進展が求められる現状を伝えた。
さらに、岡部勝一議員も台風19号に関連し、復興への取り組みが今後続くことを強調した。特に、災害弱者の支援に向けた具体策の必要性を述べ、地域全体での共助意識を呼びかけた。岡部議員は、過去の災害教訓を踏まえたより細かな防災計画の重要性も訴えた。
これに対して、町側は地域連携の強化を進める一方で、福祉計画や防災訓練の重要性を確認。今後も町民のニーズに寄り添った施策の充実を図る考えを示した。また、外国籍住民に対する行政サービスの向上についても言及され、言語の壁を越えるための翻訳機や案内板の設置が提案された。これらの対策が国際化社会における行政の役割を果たすべきという意見が強く表れた。
会議は終了し、町議会議員は今後の復興への道筋を確認しつつ、住民へのさらなる配慮を約束した。災害対応における町の取り組みが試される中、地域全体の絆を深めることが求められている。