令和4年6月15日に開催された佐久穂町議会の定例会では、学校給食における地元農産物の利用促進や観光事業の再生策が中心テーマとして議論された。特に、地元産食材の使用状況についての報告があり、教育長からは保育所と小中学校における地元産の利用がそれぞれ約2%と約3%であることが伝えられた。この数字は長野県内の地場産物利用が69%を超え、全国平均である52%を大きく上回っていることと比較しても、佐久穂町の地元農業利用は非常に低い水準にあると言えよう。
高見澤利博議員からは、地元産食材調達の推進に必要な生産者と調理現場の課題について指摘があった。特に、調理現場では、納入される農産物が規格外であることや虫が多いことが問題視されており、町として生産者に対し、新たに生産する意欲を高めるための支援が求められた。教育長は、調理現場と生産者のさらなる連携を図る意向を示し、生産者と調理場での具体的な協議の場を設けることを提案した。
また、観光の再生については、町の多種多様な観光地を周遊する施策が紹介された。例えば、周遊事業では町内の観光施設を巡り、スタンプを集める活動が行われている。しかしながら、観光客の安全に影響を及ぼす駐車場の不足についても議論があり、八千穂高原周辺の駐車場整備の必要性が訴えられた。
加えて、公共下水道の排水区域に関する見直し問が提起され、町民からの接続希望に対する対応策が求められた。町長は、現状の課題を理解しつつ、公共下水道の区域見直しの難しさを理解した上で慎重な対応が必要であるとの見解を示した。
全体を通じて、議会では地元農産物の利用拡大や観光事業の改革が強調され、町としての積極的な施策が今後ますます重要になることが示唆された。