令和5年12月11日、安曇野市議会は定例会を開催し、市政一般に対する代表質問が行われた。特に交通施策や農業振興、障がい者支援などが大きな焦点となり、各議員から市長や部長に対する厳しい質問が寄せられた。
最初に無所属の林 孝彦議員が交通弱者救済に関する公共交通の利便性向上を提案した。高齢化の進行と共に、移動手段の確保が求められ、特に安曇野市においても公共交通網の整備が重要であることを訴えた。市長の太田 寛氏は、「公共交通体制の形成に注力し、老若男女が利用しやすい環境づくりを推進する」と応じた。
続いて、農業振興の促進についても議論された。安曇野市の農業者が減少傾向にある中で、後継者育成と農業者の支援が重要であるとの指摘がなされた。議員は「地域計画の策定により、未来の農業に応じた対策を講じるべきだ」と主張し、太田市長はこれに同意し、「地域計画に基づく農業者支援策を進めていく」との姿勢を示した。
また、障がい者支援に関して猪狩 久美子議員が、障がい者がより地域で生活しやすい環境を整える必要性を強調した。特に安曇養護学校へのアクセス問題や、地域での療育施設の拡充が叫ばれている。市長は、「障がい者が安心して暮らせる社会を目指し、県との連携を深めていく」との見解を示した。
さらに、近年の少子高齢化の影響が指摘され、定住人口の増加が求められる。竹内 秀太郎議員からは市独自の奨学金返還支援制度の創設が提案され、「若者の定住促進のためには、持続可能な支援策が必要」と力強く訴えた。市長は「若者が安心して住み続けられる魅力ある街づくりに積極的に取り組む」と応じた。
このように、市政一般に対する代表質問では、交通、農業、福祉、人口対策など多岐にわたる課題に対して、各議員からの真剣な質問とそれに対する行政側の答弁が行われ、今後の方針が示される重要な一日となった。安曇野市は、一層の市民福祉の向上を目指す姿勢を明らかにした。