令和6年3月7日に開催された安曇野市議会では、幅広い議題が上程された。
中でも注目を集めたのは、議案第1号の「安曇野市特別職の職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」である。これに関連して、16番の内川集雄議員は、改正内容に対して社会情勢をどう反映させたか、特に政務活動費に関する疑義を指摘した。内川議員は「政務活動費の廃止が議員報酬増とセットで進んでいる事例も多い」と言及し、安曇野市でも同様の検討が行われたのか質問した。これに対し、平林洋一総務部長は、社会情勢の検討は行っていないと回答した。しかし、今後次期特別職報酬等審議会での議論が必要であると黙示した。
また、議案第8号についても質疑が行われ、三郷堆肥センターの老朽化に伴う廃止の理由が問われた。20番の小林純子議員が経緯と評価について明らかにするよう求めると、赤澤哲也農林部長は、施設の劣化だけでなく、運営側のマネジメントの難しさも問題であったと説明した。同センターは安曇野市にとって重要な役割を果たしてきたが、その運営には多くの課題があったとの点に触れた。
財政に関する議案、特に令和6年度一般会計予算についても議論が盛り上がった。歳入の一元化による効率性の向上が目指されているが、橋本裕二議員はインフレによる基金の運用状況について疑問を呈し、市の対策を求めた。これに対し、山田留美会計管理者は、資金運用については安全性を最優先に行い、元本保証を基本とした運用を行っていると述べた。
多くの議案が一括で議題に上げられ、質疑が進められた中で、各議員のこれまでの活動が投影され、市民の意見を踏まえた透明性のある行政運営が求められていることが浮き彫りになった。この会議を通じて、安曇野市議会がより市民に寄り添い、信頼される組織になっていくことが期待される。