安曇野市の令和5年12月定例会では、市政一般に関する質疑が行われた。市議会における主要な発言には、井出勝正議員が自衛隊への住民名簿提供についての問題提起を行ったことがある。
井出議員はこれまでの閲覧方式から名簿提供に変更された理由を問うた。平林洋一総務部長は、自衛隊が公益性の高い活動を行っていることを根拠に協力を強調。しかし、井出議員は名簿提供自体が個人情報保護に反していると考え、再度質問した。
平林総務部長は個人情報の保護に関する法律の改正によって名簿提供が合法であるとの回答を行ったものの、井出議員は個人情報の保護の観点からその適切さを疑問視した。また、除外申請を設けることが新たな差別を生むのではないかとも指摘した。これに対し平林部長は、除外申請には個人情報を漏らすことはないと説明したが、井出議員は適切な管理について再確認を促した。
次に、農業基本法に関する質問が続いた。井出議員は、安曇野市の農業を持続的に発展させるための具体的な取り組みを確認し、赤澤哲也農林部長からは、第3次農業・農村振興基本計画に基づく施策が実施されると説明があった。安曇野の基幹産業である農業の将来像が語られ、農業従事者の減少や高齢化問題への対応が求められている。
槍ヶ岳開山200年に関しての質疑もあり、井出議員は記念事業の提案を行い、市長の太田寛は賛成の意を示した。記念行事を通じて地域振興を図る必要性が強調され、地域の歴史や文化を守る姿勢が見られた。
さらに、議員による教育問題への言及があり、特に不登校支援のためのスクールソーシャルワーカーの配置や役割について、今後の強化が求められるとともに、地域全体で子供たちを支える体制の必要が訴えられた。安曇野市が目指す多様な学びを尊重する風潮とともに、平和教育の重要性が改めて浮き彫りとなった。