令和4年12月9日、安曇野市議会の定例会が開催され、議員による市政一般に対する代表質問が行われた。特に中小企業支援や有機農業の拡大、ハラスメント問題が主要なテーマとなった。
最初に議論されたのは中小企業支援についてだ。政和クラブの松枝 功議員が、市が設立した一般社団法人あづみ野産業振興支援センターの解散に伴い、市内中小企業への支援策の進捗状況を質問した。これに対し商工観光スポーツ部長の野口武史氏は、「この法人は昨年3月に解散した」との報告を行い、同法人が市内企業からの信頼を得られなかったことが解散の主因であったと述べた。また、市商工会に業務委託し、中小企業支援を継続していると強調した。
次に、有機農業の拡大については、松枝 議員が国の「みどりの食糧システム戦略」に基づく取り組みと、市内の現状について質問した。農林部長の赤澤哲也氏は、市内の有機栽培や低農薬栽培に対する需要の高まりを指摘しながらも、導入の促進が難しい状況であるとの認識を示した。国の補助制度も活用していく意向を表明した。
また、ハラスメント対策についての質問も行われ、市民生活部長の山田真一氏が、具体的な対策や相談体制について説明した。各部署の職員に対する研修や相談窓口の設置などが進められていることが報告された。しかし、議員からは実効性のある第三者機関の設置を求める声も上がった。
さらに、介護保険制度の改定案についても活発な議論が展開された。新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にある介護事業者への支援が検討され、特に制度の維持とさらなる負担増加の懸念が示された。市長の太田 寛氏は、国の動向に注視し、制度を持続可能なものにしていく必要性を述べた。
今回の市議会では、地域経済の活性化と市民生活の質向上につながる施策に関する意見が数多く交わされた。市民に寄り添った施策の実施が期待される。