令和5年第2回大台町議会定例会が6月12日に開催された。議題には高齢者向け福祉政策や公共交通の現状など、町民生活に密接に関連する重要なテーマが多く上がった。
特に注目を集めたのは、介護保険事業計画の改訂についてである。小林保男議員は、高齢者福祉計画と介護保険事業計画の現状や今後の方針について質問した。健康ほけん課長の辻徳人氏は、地域包括ケアシステムを深化させ、高齢者が安心して暮らせる環境作りを進める必要があると強調した。また、2025年には団塊の世代が後期高齢者となるため、さらなる深刻なサービスニーズの増加が予想される中、新計画への転換が求められた。
農業用ため池の管理についても、古田廣幸議員から重要な課題が提起された。大台町では、農業用ため池の劣化状況や耐性評価が進められており、合格基準に達していないため池が報告された。これに対し、建設課長の鳥山隆徳氏は、必要な防災工事を実施する意義と、町としての責任を明確にした。地域の安全を守るため、早急に対応する方針が示された。
また、中学校における部活動の地域移行についても、地域と教育関係者の調整が進む中、将来的に地域スポーツクラブとの連携を強化することが提案された。教育課長の山下晃氏は、少子化に応じて部活動の運営が厳しくなる中で、地域連携の重要性を強調した。こちらも町民が積極的に関与することが求められ、各種提案やアイデアを広く募る意向が示された。
さらに、公共交通について米森清裕議員から公共交通における質の向上が求められた。現在、デマンドタクシーの利用率が低下していることから、運営方法や収支計画の再考が是非とも必要であるとの意見であった。企画課長は、公共交通計画の策定に向けて地域の意見を取り入れた運営の重要性を語り、町内全域での交通の改善に向け努力すると述べた。
このように、大台町議会では、地域の高齢者福祉から公共交通、教育施策まで、幅広い議題が現実のニーズに即して討議されていることが強調された。特に、地域住民の声を如何にして役所の施策に反映させ、実効性を伴う施策へと発展させていくかが、今後の重要課題となるだろう。町民の生活向上を図るために、一層の協力と意見交換の場が整備されることが期待される。