松阪市の令和3年9月定例会が開始され、特に注目されるのは令和2年度の歳入歳出決算の報告である。市長の竹上真人氏は、令和2年度決算の概要を発表し、特に新型コロナウイルス感染症への対応として114億円規模の補正予算が重要な再評価点であると述べた。
新型コロナウイルスの影響により、令和2年度の市の歳入は914億4500万円、歳出は885億1000万円と過去最大規模となり、一般会計の決算はこの中で約200億円の歳入増を記録したという。竹上市長は、「この措置は市民の命を守るために最大限の努力を重ねた結果であり、将来世代に対する負担を避けるべく、正確な財政運営を続けている」と強調した。
特に注目されるのは、松阪市松阪市民病院事業における収益の向上であるという。竹上市長の説明によれば、令和2年度の病院事業の純利益は7億円を超え、昨年度よりも増加したと述べた。この中にあわせて、国や県からの補助金を受けて新型コロナウイルスの感染者への対応にあたる努力が評価されている。
また、令和2年度松阪市水道事業の説明も行われた。上下水道事業管理者の廣田昇氏によると、給水人口が減少した一方、家庭での水使用量はコロナ禍によって年々増加し、経営的には安定を保っていることが確認された。
採択された決算報告の後、市は公共下水道の普及促進や、水道施設の更新に向けた条例改正も行った。これらは、令和6年度までの計画に基づき、市民の安全で安心な生活を守るために不可欠な施策であるとされた。
議案審議の中には、さらなる過疎地域の振興に向けた法律改正も含まれており、新たな条例策定が地域振興部長の岡本孝雄氏によって発表された。また、競輪事業特別会計の補正予算には、大幅な増額として11億1319万円を追加計上し、未来の地域振興に向けた活用が期待されている。
今回の議会においては、決算審査特別委員会が設置され、各議案に対する審査が進められることが確認された。市は今後も市民に密着した施策を進める方針を表明し、さらなる健全な財政運営に努めていく旨を決議した。このように、松阪市は地域の振興と市民福祉の向上に向け努力し続ける姿勢を明確に示している。