松阪市の令和5年11月定例会では、多岐にわたる一般質問が行われ、特に障害者の情報保障や選挙関連の支援が重要なテーマとして取り上げられた。
質問に立ったのは、小野建二市議で、視覚障害者への情報保障の現状と今後の支援策について問うた。福祉福祉事務所の榊原典子氏は、2023年4月時点で市内に360人の視覚障害者がいると報告。現在、視覚障害者用の情報支援機器を導入していることを強調し、音声コードを利用した情報アクセスの重要性も指摘した。榊原氏は、音声コードの導入が、視覚障害者の情報収集において非常に効果的であると述べた。
また、選挙投票所入場券における視覚障害者への配慮が不足しているとの指摘もあり、選挙管理委員会の山本誠氏は、点字表示の導入や視覚障害者協会との連携を強化することで改善を図る意向を示した。
次に、松阪市では出生記念の命名書の導入を検討していることに対し、環境生活部長の谷川英次氏は、親との交流を深める一環としても有効だとした。特に名づけの背景となる地元の自然や文化を取り入れることで、地域への愛着を育む重要性を提案した。
ごみの削減に関する一般質問では、生ごみの堆肥化を促進するための市の取組が評価された。市は、利用便益を広めるために水切りモニターを実施しており、約931トンのごみ削減が見込まれている。
手話条例の10周年に向けての議論もなされた。10周年記念イベントは、地域で手話の普及を進める良い機会として計画されており、若い世代の参加を促進することに賛同の声が上がった。
松阪市民病院の在り方を巡る質疑も多く、市民病院の機能転換や救急医療の課題について話し合われた。特に、地域医療構想に基づく方向性や公立病院と民間病院の役割分担が求められたが、病院間の救急医療の連携については依然として不安の声が残っている。
最後に、小津安二郎に関連する事業が話題として取り上げられ、特に市制20周年を迎える来年度に向けての文化的事業の推進に期待が寄せられた。地域資源の発掘と市民の身近な文化の再評価が進む場面が見られ、さらなる地域の活性化が目指されている。