松阪市の令和2年第3回定例会が開かれ、市民の生活を守るための課題と対策が議論された。特に新型コロナウイルス感染症への対応が焦点となり、生活困窮者に対する支援強化が求められた。
今回の議事において、生活保護に関する議論を受け、福祉事務所長の石川圭一氏は、現在の生活保護受給者数が1760世帯、2194人であり、申請の増加が予測される中で、必要な施策を検討していると述べた。「特に、申請者が健康な状況から就労を再開する際には、一定の期間車の所有を許可する特例を設けることもある」との見解も示した。
また、新型コロナウイルスの影響を受けた特別定額給付金についても話題が上がった。申請状況については、現在約97%の給付率を達成しているが、未申請者の多くは高齢者であることが確認された。総務部長の松名瀬弘己氏は、未申請者への訪問や電話確認を行い、さらなる給付促進を目指す方針を述べた。「特に高齢者に対する訪問支援が重要である」と強調した。
さらに、学校教育に関する討論では、教育長の中田雅喜氏が学力保障と心のケアについて述べ、教育委員会はオンライン授業などの新しい学びの形式を導入していると報告した。「来月行われるテストを通じて、子どもたちの学びの実態を把握し、個別対応を強化する計画です」と述べた。心のケアには、きずなダイヤルなどの相談窓口を通じてアプローチしていることも明らかにされた。
避難所における感染対策も重要なテーマとして取り上げられた。北川高宏防災担当参事は、感染拡大を防ぐための避難所運営マニュアルの見直しや、感染症対策のための別室設置を計画していると述べ、地域全体の備えを強調した。地域による分散避難の重要性も指摘され、特に高齢者や要配慮者へのケアが求められた。
企業誘致に関しては、市の工業団地開発の進捗状況が報告された。市長の竹上真人氏は、地域経済の活性化に向け、積極的な企業誘致を行っていることを示し、「現在、県や国との調整を進め、新たな産業用地を確保する努力を継続している」と述べた。地域の発展に向け、特にコロナ禍の今こそ地域経済の再生を目指して行動していく意義が強調された。