松阪市の2020年度の決算審議が行われ、各議員が活発に質疑を行った。特に、コロナ禍における財政運営や施策の効果が大きな焦点となった。
質疑の最初を飾ったのは、海住恒幸議員であった。彼は、松阪市の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算について、コロナ対策の影響や特別会計である国民健康保険事業の現状に触れた。彼の質問によれば、令和2年度中に市長への手紙が189件に達したことは、コロナ禍による市民の不安を反映する数字だと評価する。
また、松坂市の歳入は国からの交付金が大きな役割を果たし、特に163億円の定額給付金が寄与した。海住議員は、これらが市民に寄り添う施策として機能したのか、市長に対して見解を求める。市長竹上真人氏は、コロナ禍においては迅速な政策決定が求められ、多くの補正予算を通じて市民のニーズに応えたと強調した。
一方で、松坂市民病院の決算に関する質疑も行われた。市民病院事務部長の武田裕樹氏は、医業収益がコロナ禍により大きく減少したことを報告。外来患者数が35年ぶりの低水準に達し、医業損失は5億6000万円と厳しい状況の中で、国からの補助金が病院の黒字に寄与した。武田氏は、コロナ禍において医療機関全体が直面した厳しい現実に言及し、職員の努力が結果に繋がったと述べた。
会議では、国民健康保険税の減免状況も話題に上がった。健康福祉部長の薗部功氏は、減免制度に基づき274件、約2946万円の減免が行われたことを説明。さらに、実質的な国民健康保険事業の収支についても触れ、安定した運営が図られていると伝えた。
松阪市が今回の決算審議を通じて、コロナ対策や財政運営の透明性を求め続けていく姿勢を改めて確認する重要な会議であった。市民の声に耳を傾け、健全な財政運営を持続していく意義が再認識された。