令和3年12月6日に行われた宇治田原町全員協議会では、小中一貫教育施設に関する調査研究事業の中間報告がなされた。
この報告では、教育次長の野田泰生氏が説明を行い、施設の整備方針や調査結果の概要を述べた。まず、施設一体型の小中一貫教育の整備に関して、初めに提示されていた事業費の見積もりが15億円であったことが触れられたが、調査を経て、総事業費は25億から28億円になる見込みであることが分かった。これは学校建設と共に関連する公共施設も含めた結果である。
今回の報告では、これまでの計画を再検討し、コロナ禍に配慮した学校の新しい生活様式やICT教育環境についても考慮が必要であるとされている。従来の生徒数の見込みは560人で、教職員数は57人とした上で、維孝館中学校の既存校舎は改修して利用し、老朽化した教室棟については解体する方向が検討されている。また、駐車場については来客用を含め65台を確保する計画である。
また、議長の谷口整氏が示した通り、教育行政においては、プールや施設の利用に関する住民との調整も必要であり、特に夏休みなど利用の重複に関する問題が指摘された。今西利行議員は、プールの使用に関する衛生管理の整合性を懸念し、適切な使用時期について具体的な調整を求めた。また、学童の施設利用に関する議論も続き、田原小学校との連携があるべきとの声も上がった。
最終的には、小中一貫教育を推進する方向は変わらないが、開校時期の見直しが避けられないとの認識が示された。西谷信夫町長は、この事業の延期について非常に申し訳なく感じるものの、引き続きこどもたちに良い教育環境を提供するために力を尽くす意向を強調した。今後、具体的な開校時期については新たなデータや環境に基づき再検討が進められる予定である。