宇治市議会の令和6年3月定例会が開催され、さまざまな議題が協議された。
重要な審議の一つは、「宇治市の公民館の存続と充実について」であった。文教・福祉常任委員会の木本裕章委員長がこの請願に関し報告した。新たな社会教育主事の配置を求める声があり、利用者の提案に対する市教委の具体的な対応が欠如しているとの指摘もあった。日本共産党宇治市会議員団からも賛成討論が行われ、大多数の議員がこの請願の重要性を認めたが、結果は賛成少数で不採択とされた。
次に議題となったのは、令和6年度の予算案である。市長の松村淳子氏は、一般会計予算について、「市民生活を支えるために必要な施策はすべて含まれている」と強調した。総額は743億円に上り、過去最大規模である。特に国民健康保険事業特別会計予算が話題となり、議案第19号の改正案は平均保険料を10%以上引き上げる提案であった。この値上げに対し、日本共産党議員からは市民生活への影響を訴える反対意見が挙がり、一般会計からの繰入れにより保険料を据え置くべきとの見解が示された。
議案第30号「固定資産評価審査委員会委員の選任同意」については、井上玲子氏の続投が提案され、全会一致で原案通り可決された。人権擁護委員候補者の推薦に関する諮問についても、竹田隆司氏の推薦が議論され、適任との意見が多数を占めた。その他、多数の予算関連議案が審査され、ほとんどが原案の通り可決された。
今回の定例会では、多岐にわたる議題が議論され、特に公民館や国民健康保険の問題は、市民生活に直結する重要なテーマであった。これからの市政において市民の声をどのように反映させていくか、そして地域のニーズに応じた施策を進めていくことが期待される。