令和3年9月定例会が、令和3年10月12日、宇治市議会で開かれた。
この日の会議では、主に宇治市の一般会計に関する議案が取り扱われた。議案第59号の令和3年度宇治市一般会計補正予算(第7号)には、教育施設整備が含まれ、特に「西小倉地域小中一貫校整備事業」に関連する質疑が数多く行われた。
大河直幸議員は、西小倉地域の小中一貫校整備について、市長や教育長が地域住民の意見をどのように反映しているのかを問うた。特に、これまでの小中一貫校での教育実績と課題を挙げ、十分な協議がされているのか疑問を呈した。教育部長の伊賀和彦氏は、地域の意見を取り入れた説明を進めていると述べたが、大河議員は実態が伴っているか疑念をお持ちのようであった。
さらに、育成学級と給食室の設置についても議論が交わされ、育成学級についての設計、計画が具体化されていないことへの不安が表明された。教育長の岸本文子氏は、育成学級や給食室についても新しい設計の中で検討していくと強調したが、住民の不安は残り、議員からなる厳しい質疑が続いた。
採決の結果、一般会計補正予算は多数の賛成によって可決され、宇治市の新たな教育環境整備に向けた一歩が進む形となった。また、意見書案も幾つか提出され、その中には、気候危機への対応策を求めるものや、沖縄戦戦没者に関するものであったが、結果としていずれも否決された。
今回の議会では、地域住民との信頼関係や意見交換の重要性が色濃く表れた。教育施設の整備とその運営にあたる政策が、地域の要望を適切に反映し、子供たちの成長を支える取り組みとして進められていくことが期待されている。