令和元年12月13日、宇治市の定例会が開かれ、さまざまな議題が討議された。特に注目されたのは、子どもや障害者、また高齢者等の社会的包摂に関する取り組みについての質疑であった。
はじめに、教育環境についての質疑が行われた。中村麻伊子議員は、宇治市の不登校の現状と、低学年での不登校児童が増加傾向にあることを指摘し、保護者や子供への支援強化を求めた。伊賀教育部長は、教育相談や支援員による直接対応を進めていると説明したが、さらなるきめ細やかな対応が必要との意見は多くの議員から上がった。
次に障害者支援についても質疑が交わされた。宇治市では発達支援センターがあるものの、そのアクセスの悪さや待機期間の長さが問題視された。星川福祉こども部長は、今後はフリースクールや民間団体との連携も進める考えを示したが、スムーズな情報の共有とサポート体制の強化が求められる。当然、貧困などの社会的背景が大きくかかわるゆえ、地域全体での支援が求められた。
また、生活困窮世帯に対しての学習支援事業についても討論がなされた。利用者の通所が地域の交通手段に依存していることが指摘され、単に支援のみならず、地域の皆さんの参加や理解促進が重要であるとの声が上がった。福祉事業の拡充が急務でから、実施方法に関する具体的検討が進められることが求められた。
さらに、再犯防止施策についても議論があった。山本市長は、社会復帰や協力雇用主との連携強化が進められる必要性について言及し、地域が支える体制の構築へ向けた意欲を示した。その中で、宇治市の第4次防犯推進計画の中で具体的な施策に落とし込むことが決定されることが期待される。
最後に、福祉タクシー利用者からの要望として、タクシー券とガソリン券の併用による利便性向上が提案された。星川部長は、近隣市の状況を念頭に置きつつ、ガソリン券との併用も検討していることを説明した。これにより利用者の選択肢が増し、より多くの市民が移動の自由を得ることが期待される。
今後の課題は多いが、宇治市では市民の生活を支えるために、施策を整備し、地域全体で支え合う意識を持つことが大切であるという認識が広まっている。市と市民とが共に、より良い社会的環境を築いていくための取り組みが進むことが望まれる。