令和2年12月28日、宇治市議会定例会が開催され、松村淳子市長の就任挨拶が行われた。この会議では、松村市長が新たな市政運営に向けた決意を示し、新型コロナウイルス感染症対策を重視する方針を語った。
市長は、コロナウイルスの影響による現状を分析し、特に市民の安心・安全を守るための施策が急務であると強調した。12月26日には135人の新規陽性者が報告され、その状況下での対策の必要性を訴えた。将来的な「ウイズコロナ」「ポストコロナ」の社会における持続可能な活動を確保するため、緊急の対応が不可欠であるとの考えを示した。
また、松村市長は、四つの政策の柱を提起した。一つ目は「安心」であり、防災・減災対策や子育て環境の整備に取り組むことを目指す。二つ目は「躍動」で、都市基盤の整備や新産業の振興を通じて、住みやすい街づくりを進めることを表明した。三つ目は「再スタート」として、観光促進や近隣市町との連携を深める計画を挙げ、最後にこの四つが相互に関連していることを訴えた。
さらに、会議では専決処分に関する二つの議案について審議が行われた。議案第82号は、国の新型コロナウイルス感染症対策として独り親家庭への給付金再支給に関するもので、松村市長が本議案を提案した。また、議案第83号は、京都地方裁判所からの損害賠償請求事件にかかる判決を控訴するための議決を求めるもので、こちらも専決処分が報告された。
その後、令和元年度の各特別会計の決算認定に関する複数の議案が一括して議題に挙げられ、討議が行われた。決算特別委員会の関谷智子委員長が報告し、総じて市の財政状況は厳しかったものの、黒字が続いていることが評価された。また、今後の課題として新型コロナの影響による財政見通しが厳しくなる中での政策運営の重要性が指摘された。
この日の会議は午後10時20分に延会したが、市長の就任による新たな動きや議案審議の行方は、今後の宇治市政にとって重要な影響を及ぼすだろう。松村市長の掲げる「安心・躍動・再スタート」の政策が如何に具現化され、市民生活に反映されるかが注目される。