令和4年3月の定例会では、新型コロナウイルス感染症対策や令和4年度予算案、財政健全化に向けた取り組みなどが中心に議論された。
代表質問では、松峯茂議員が松村淳子市長に対し、令和4年度予算案の特徴について具体的な説明を求めた。この予算案は「未来につなぐ魅力創造予算」と位置づけられており、松村市長は新型コロナウイルスの影響下での施策展開と地域の防災や防犯対策を強調した。特に、感染症対策として、市民の安全・安心を守るために、ワクチン接種の迅速な実施や福祉施設での感染防止策を導入することが重要であると述べた。
また、松峯議員は財政面にも触れ、市長が提案した令和4年度から7年度にかけての約70億円の収支不足が見込まれるとの報告に対し、根拠のない数字を前提にした予算編成は許されないと指摘した。市長は経常収支比率などを指摘しつつ、予算編成の重要性を説明したが、議員の意見には賛否が分かれる結果となった。
今後の行財政改革には、堅実な運営が求められる中、市民参加による協働の重要性が強調された。松村市長は市民とともに未来を見据えた施策を推進する意向を示し、特に第6次総合計画を通した持続可能な町づくりに注力する姿勢を明らかにした。しかし、議員は市民協働の具体的な実現方法について懸念を示しており、今後の取り組みが注目される。
新たに提案された令和4年度の水道料金改定案についても議論が交わされた。市長は水道事業の持続可能性を強調しつつ、一般会計からの支援の必要性に関しては慎重な立場を取ったが、議員からは市民負担を減らすための提案もあり、若干の温度差が見受けられた。特に、低所得者向けの料金制度については、今後の方針が問われる結果となった。
このほか、宇治市としての新型コロナウイルスへの適応や、保育士へのパートナーシップ支援の取り組みについても言及があり、松村市長は引き続き市民との対話を重視し、施策の実現に向けた姿勢を示した。議会審議が一段落する中、市民目線での政策決定に向けた取り組みが求められている。