令和2年7月31日、宇治市議会は臨時会を開催し、議案第58号である「令和2年度宇治市一般会計補正予算(第7号)」などが審議された。
議長の真田敦史氏が開会を宣言した後、会期は本日1日間と決定され、続いて各議案などの諸報告が行われた。
山本市長は補正予算案について、新型コロナウイルス感染症対策としての必要性を強調した。設けられる予算は主に3つに分かれている。いずれも市民の生命と健康を守る施策を目的としているが、特に新型コロナウイルスの影響が色濃い高齢者へのフレイル予防が重要視されている。若者世代から高齢者まで、市民生活を支えるための取り組みが求められている背景には、国や京都府のガイドラインを遵守しつつ、早急な行動が必要であるとの認識に基づくものとみられる。
補正額は総額1億2,280万円であり、その中でも高齢者フレイル予防事業には4,000万が計上されている。本事業は、高齢者の健康状態チェックリスト配布とそれに基づく支援を目的とする。また、観光需要の回復に向けた施策として、観光客受入環境整備事業にも1,000万円が割り当てられている。
しかし、議員の堀明人氏はこの補正予算案に対し懸念を表明した。特に、フレイル予防対策を進めるにあたっての実効性や緊急性を疑問視し、十分な準備と検討がなされていないとの意見を述べた。これに対し市長は、フレイル予防が重要であることを認めた上で、早急に取り組むことが必要だと応じた。
また、市内の小規模事業者を対象としたプレミアム付デジタルクーポン発行事業が提案されているが、対象店舗が限定されることに不公平感を伴うとの指摘も受けた。市は、競争のない中、事業者を支援し、消費者にお得感を提供することを目指している。具体的な実施方針や周知策についても、議会での議論が続く中、工夫が求められている状況だ。
こうした意見は、教育委員会のあり方についても触れられた。教育長は学校における感染防止策への疑問に対し、保健所との連携も考慮しつつ「生徒や保護者の不安を払拭できるよう対応する」と述べた。これは、コロナ禍での子供たちの安全を最優先に考えるという決意が感じられる答弁であったといえる。
それでも、議論の結果、課題は多岐にわたり、今後の施策の具体化にあたっては市民の理解を得ることが最も重要な任務となる。議案に対する修正案が可決されたことからも、市民のニーズに丁寧に応える姿勢が求められている。新型コロナウイルスの影響を受けつつも市の発展を支える施策が、本当に市民のためになるのか、叶えるための道筋が今後も問われ続けるだろう。