令和元年12月の宇土市議会定例会では、様々な市民生活に関する重要な議題が話し合われた。
特に注目を集めたのは、村田宣雄議員の提起した中山間地域等直接支払制度に関する質疑であった。村田議員は、この制度が地域農業の維持に重要であるとし、現行の交付金の状況や今後の見直し方針に対して質問を行った。実際、経済部長の山口裕一氏は、本市における取組の現状を説明し、既に8つの集落協定が活動していると述べた。その中で交付金の支給状況も明らかにされ、対象面積は約7,089アールであり、853万8,051円という額も示された。今後の制度見直しにおいては、集落戦略の作成が求められ、人材確保が重要になる点についても触れた。
次いで、福田慧一議員による加齢性難聴者に対する補聴器購入助成の必要性が指摘された。高齢化に伴う難聴は、認知症リスクとも関連し、社会問題であると強調された。健康福祉部長の岡田郁子氏は、現在は障害者が対象で補助が行われている現状を説明し、今後の具体的な助成制度の創設について要望を受けた。
また、市民の健康を守るための国保会計の健全化についても質疑が行われた。特に若年層の受診率向上が課題となっており、過去3年間の健診状況が報告されたが、依然として目標には届かない状況が続いている。市民環境部長の小山郁郎氏は、現在の取り組みを継続し、受診者の増加を図る必要性を述べる。
他にも、佐美三洋議員が市職員の採用についての現状報告や、公共交通のあり方を再評価する必要性を訴えた。特に、網田地区では公共交通の空白地帯が問題視され、地域住民の移動手段確保が求められている。
最後に、まちづくり基金助成金についても議論がなされた。市民活動団体への助成が行われているが、その内容や条件化について再検討が求められた。これに対し、企画部長の石本尚志氏は助成の目的を明らかにしつつも、より利用しやすい制度への改善を示唆した。
これらの質疑を通じて、議員たちは地域住民の暮らしに関わる様々な問題に鋭い視点を持ち、解決に向けた取り組みを進める必要性を再認識した。今後の議会においても引き続き、これらのテーマが論じられ、具体的な対策が立案されることが期待される。