令和3年3月8日、宇土市議会定例会が開かれ、多様な議題が討論された。特に、避難行動要支援者に関する個別支援計画の重要性と進捗に関する質疑が注目を集めた。
芥川幸子議員は、近年の自然災害で特に高齢者や障害者が被害を受けやすい現状を指摘し、個別支援計画の早期策定を求めた。彼女は、消防庁のデータを引用し、「要支援者の名簿作成率は98.9%だが、実際に個別計画が作成されているのは12.1%に留まっている」と強調。具体的には、831名の要支援者が登録され、毎年更新する仕組みが存在するが、完成度に課題があると述べた。
これに対し、健康福祉部長の岡田郁子氏は、個別支援計画が既にネットワーク台帳に組み込まれ、民生委員の協力によって年に一度の更新が行われていると報告した。さらに、避難時の配慮として、特定のバンダナや腕章を用いる提案があり、ヘルプカードの普及を図る意向も示された。具体的な対策や実施状況については、住民の意見も反映させながら進める方針である。
次に、ウィズコロナ時代の妊産婦支援にも焦点が当たった。芥川議員は、産婦健康診査や産後ケア事業について言及し、市の取り組みの重要性を訴えた。この質問に対しても、岡田福祉部長は、妊産婦への支援制度の拡充を検討していると答えた。
また、村田宣雄議員からは、温暖化防止のため農業の果たす役割に関する質問があり、具体的な農業支援施策や水田リノベーション事業が議論された。南部の農業にとっては、天候の変動や収入減少が深刻な問題であり、国や県と連携した支援が求められた。
さらに、福田慧一議員からは、コロナ禍における第3次臨時給付金や子育て世代への支援策が取り上げられ、市独自の支援のあり方が問われた。市長は、現状に即した柔軟な支援を考慮する重要性を訴えた。
多岐にわたる議題が市民の生活と福祉に直結した内容であり、市として今後の取り組みが期待される。議会では、多くの意見が交わされ、各施策の具体化に向けた前向きな姿勢が強調された。