令和3年9月に宇土市議会で開かれた定例会では、重要なテーマが多数議論された。この議論の中で、「ため池、堤等の老朽化及び防災対策」については特に強調された。
樫崎政治議員は、ため池の決壊が全国各地で問題になっている現状を引き合いに出し、宇土市のため池防災対策について質疑を行った。
樫崎議員は、「全国的に自然災害が多発しており、特に豪雨時のため池の決壊が深刻な問題になっている。このため池の管理が適切でない結果、人的被害が出る恐れがある」と述べた。彼は、宇土市における23か所のため池の点検や調査が進んでいるのかを問い質した。
これに対し、経済部長の小山郁郎氏は、「上松山区にある内浦池と北山内池の基礎調査業務を行っており、これに基づく改修計画を策定していく予定である」と回答。また、ハザードマップの作成と配布も行っており、危機管理の一環として周知が進められているとのこと。
次に話が進んだのは、HPV(子宮頸がん)ワクチンについてである。樫崎議員は、「このワクチンによって、国内で毎年約3000人が子宮頸がんで亡くなっている現状をどうにかしなければならない」と強調し、本市での接種状況を尋ねた。
健康福祉部長の岡田郁子氏は、「ワクチン接種は進んでおらず、令和2年度における接種率は1%未満である」と答え、厚生労働省が接種の積極的勧奨を再開する意向を示していることに期待を寄せた。また、森林などの環境整備も進めながら、保護者への情報提供に努める意向が示された。
第三の重要なテーマとして「化学物質過敏症」についての議論もあった。樫崎議員は、子育て支援課や教育委員会と連携し、香害の配慮を促すチラシを配布することを提案。健康福祉部長の岡田氏は、気になる事例を挙げながら、今後も周知活動を継続していく旨を述べた。
この他にも「コロナ渦中の市民生活」や「道路維持・整備」など、多岐にわたる問題が議論されたが、特にため池や子宮頸がんワクチン、化学物質過敏症の取り組みが重要視されている現状が浮き彫りとなった。これらの討議は、市民の安全と健康を守るために今後も注力していくべき重要な課題であると言える。