令和4年9月に行われた宇土市議会定例会では、様々な議題が取り上げられる中、特に「豊かなまちづくりについて」の質問が注目された。
柴田 正樹議員は、市が優秀な人材を失う現状について言及し、収入の確保が住民サービスにどのように影響するかを問うた。彼は約40年前から続く行財政改革が職員数を減少させた結果、サービスの低下を懸念しており、優秀な人材を確保するための待遇改善が必要だと強調した。これに対して、総務部長の杉本裕治氏は、現在の宇土市の給与水準を示しつつ、過去の給与の推移を明らかにした。
また、質疑の中で新規採用職員の初任給についても議論があり、柴田議員は、経済情勢により給与が低下していることが優秀な人材の確保を難しくしている点を指摘した。最近の経済情勢や物価の上昇に対する考えも述べられ、金融教育を進める必要があるとの意見も出た。
続いて、子育て支援について、健康福祉部長の岡田郁子氏は、宇土市が多様な子育て家庭のニーズに応える施策を実施していることを説明し、不妊治療の助成や保育料の軽減策について述べた。さらに、子どもへの手当についても、現行の制度では十分でないとの意見が出され、より手厚い支援が求められた。
公共交通の活用に関する議題では、利用者の減少が続く中、デマンドバスの導入に焦点が当てられた。市内のミニバスとデマンドバスの利用状況について質問があり、市は積極的に公共交通の利活用に努める必要があると答えた。さらに新駅設置の可能性についても言及され、駅前の活性化による地域の影響を確認する必要があるとされた。
最後に、宇土市立図書館に関しても言及があり、教師や職員が図書館を通じて市民にサービスを提供する重要性が強調された。教育部長の山口裕一氏は、図書館が市民のサードプレイスとなることが必要であり、地域コミュニティづくりに向けて取り組んでいく意向を示した。図書館の利活用を促進することで、地域活性化につながることが期待されている。